どの雲も裏は銀色

《本編》

触れあって、重なって、蕩けあって、混ざりあって

 丈高い木々や草が鬱蒼と生い茂っている熱帯の森を進んでいくと、絡まり合って生えている二本の巨木の前でチャンドラが足を止めた。樹齢を幾百年も重ねているのだろうと想像出来るその木々は、巨躯のチャンドラが小さく見えてしまうほどに巨大なものだ。彼が何人かいないと囲みきれないほどに、幹も太い。その向こう側に見える木々も同じくらいに大きいので、この周辺は古木が多く茂っている領域――古代の森と呼ばれる部類のものなのかもしれない。
 抱き上げていたフェレシュテフを地面の上に下ろすと、チャンドラは彼女の手を引いて、再び歩き出した。彼女の歩幅に合わせて、ゆっくりと。

「あの……此処は?」
「俺の隠れ家と言うか、昼寝に使ってる場所だ」

 森の奥深くであるということと、険しい獣道を通ってこなければならないということで、そもそも人間はまずやって来ない。森の木々の上で過ごすことを好む猿の亜人(ヴァナラ)も此処まではそうそうやって来ないらしい。ゆったりとしたい気分の時にやって来るのだと、チャンドラはフェレシュテフに教えてくれた。静寂に包まれているこの場所は、時折吹く風で木の葉擦れの音が心地良い。
 進んで来た方向からは見えなかったが、二本の巨木の裏側へと回り込むと根元の地面が随分と深く抉れていて、落とし穴のようになっていた。暖簾のように垂れ下がっている細い根っこを手で払いながら進んでいった先にあったのは、非常に巨大な洞だ。

(薄暗い……)

 真っ暗かと思われた空間に日の光が入ってくるのが不思議で、フェレシュテフは徐に空を仰ぐ。巨木の幹の中心は腐食が進んで空洞化しており、穴の向こう側に雲のない空が見えた。そこから光が入り込んでくるらしい。洞の中は程好い湿気と冷気があり、意外なほどに快適な空間だ。
 こういった場所にやってくるのは初めてで、日常とは異なった世界があることにフェレシュテフが感動している横で、チャンドラが突然服を脱ぎだした。

(そうだったわ、此処へは、そのつもりでやって来たのだったわ……)

 フェレシュテフは驚いたが、彼女も遅れて服を脱ぎ始める。ちらりと横目でチャンドラを盗み見ている彼女の鼓動は、少しずつ速くなっていく。

(胸とお腹の辺りは、人間と同じようなのね……)

 道理で服の上から触れた時に、腕と胸では感覚が違ったのだと彼女は納得をする。巨躯を誇る亜人の男性にしては細身のようだが、チャンドラの肢体には確りと筋肉がついている。無駄な脂肪がついていない体の線が綺麗で、フェレシュテフはうっとりとした目で眺めてしまっていた。

「……何でもう脱いでんだよ」

 上半身だけ裸になったチャンドラが脱いだシャツ(クルタ)を敷物代わりにして、その上に胡坐をかき、いつの間にやら全裸になっていたフェレシュテフを見て、ぎょっとする。

「御免なさい、待ちきれなくて……。若しかして、女の服を脱がせるのがお好きでしたか?」

 引き寄せられて、彼の膝の上に腰を下ろしたフェレシュテフが上目遣いで尋ねる。客の男性と寝る時は早々に服を脱いでしまい、寝台の上で待ち構えていることが多かったので、当たり前のようにやってしまった。加えて、熱に浮かされ始めているフェレシュテフは彼と肌を合わせたくて、焦燥感に駆られてもいた。進んでやってしまったことでチャンドラの不興を買ってしまったかと落ち込むと、彼はフェレシュテフの顔を上向かせて、薄っすらと汗ばんでいる彼女の額に口付けを落とした。

「……焦って、サリー破いちまいそうだったから、別に良い。ちっさくて、細っこくて、柔らかい体してるな、あんた……」

 力加減を間違えたら大怪我をさせてしまいそうだと冷や冷やしながらも、チャンドラは彼女の肌に掌を滑らせる。体毛の薄い褐色の肌は滑らかで、触り心地が良い。獣と同じ毛が生えていない人間の肌が新鮮で、チャンドラはついつい撫で回してしまう。フェレシュテフが普通の大きさだと主張している乳房にも触れる。やわやわと揉んでみると、頂が色付きだして、固さを増してきたので摘んでみた。彼女が震えて、甘い吐息を漏らすのが愛らしくて、チャンドラは思わず喉を鳴らしてしまった。

(好きな人に触れられているだけで、凄く、気持ち良い……。こんな風になること、知らなかった……。でも、恥ずかしい……)

 チャンドラに裸を見られるのは初めてではない。人間の男性に裸を見られても平気だった。けれども今は、とても恥ずかしい。彼に熱っぽい目で見つめられているだけで、心が喜びで満ちて、自然と息が上がってしまって、体が打ち震える。こんなことは初めてで、フェレシュテフは少しだけ不安を覚えていた。

「……あのなぁ、先に言っておくが……俺は女を抱くのは上手くねえぞ」

 ぼそりと呟かれた言葉に反応して、フェレシュテフは顔を上げる。チャンドラとばっちりと目が合うと、彼は気まずそうに目を逸らし、言葉を続けた。

「……その……女に圧し掛かられるばっかりだったから、抱き方がよく分かんねえ」

 過去の苦い経験が心の奥底に残っているので、チャンドラはいつしか女嫌いになっていた。番は持たない、娼婦を買ったりもしない、生理的な欲求はどうにか処理する。そう決めて生きてきて、特には問題はなかった。いつまでも独り身でいることを疑問に思われたり、からかわれたりする面倒はどうしてもあったが。
 だが今、問題が発生してしまっている。同族の女性を満足に扱えない自分が、かよわい人間であるフェレシュテフを大切に扱うことが出来るのか、不安で仕方がない。格好をつけても、経験が豊富なフェレシュテフには直ぐに経験不足であることは分かってしまうだろう。それなら初めに白状しておけ、と、混乱しているチャンドラは実行に移してしまったという次第だ。

(何言ってんだ、俺。情けねえな……)

 そうは思うが、告げてしまったことは事実だ。恐る恐るフェレシュテフを窺うと、彼女は艶っぽく微笑み、チャンドラの顔を引き寄せて、唇を重ねてきた。そして彼の膝の上から退くと、目の前に座りこむ。彼女が手を伸ばした先にあるのは、透明な染みを作っているズボン(パジャマ)の下で窮屈そうにしている、チャンドラの雄の象徴だ。手で包みこむようにして下から上に撫でると、それはぴくりと反応を示した。

「私は亜人の男性との経験はないので、チャンドラさんに満足して頂けるのかどうか……。ですから、不安に思われないでください。……頑張ります……っ!」
「へ?あ、おい……っ」

 慌てるチャンドラをそっちのけにして、フェレシュテフはパジャマをずらして彼の陽物を取り出す。見たことのない太さと長さを併せ持つそれは天を向いて、たらたらと雫を零している。興奮を隠せないフェレシュテフはそれをそうっと握りこんで、上下に擦ったり、先端に口付けたりしていく。唇についた雫を舐め取ると、それは苦味が強かった。
 頭上でチャンドラが快感を堪える呻き声を発しているのが耳に入ってきたフェレシュテフは気を良くし、陽物の先端を口に含んだ。

(凄く、大きい……顎が外れてしまいそう……)

 巨根であることが自慢の客の一物を銜えられたのだから、それよりも大きいチャンドラのものでも銜えられるはずだ。意を決したフェレシュテフは歯を立てないように気をつけながら、彼の陽物を深くまで飲み込んだ。先端が擦ってきた時に咽そうになったがぐっと堪えて、唇で、舌で、上顎で弄う。

「フェレシュテ、フ、無理すんな。顎っ!外れる、ぞ……っ」
「んぅ、らいろーるれる」
「……っ」

 自分の陰茎を銜えながら声を出されたのが刺激となって、チャンドラを苛む。フェレシュテフの小さな口が自分のものを銜えている姿が扇情的で、興奮が増していくのが分かる。無理をするなという気持ちと同時に、もっとして欲しいという欲も生じてくる。
 フェレシュテフはというと、自分の持てる知識を駆使して、チャンドラを快感を高めようとする。人間の男性と同じようにして良いのかと戸惑いはしたが、試してみると、それでも良いことが分かってきた。チャンドラは陰茎を舐められながら、短く密な毛に覆われている睾丸を弄られるのが好きなようだ。

「口、離せ……」

 限界が近づいてきているチャンドラが促すが、フェレシュテフは聞き入れない。口の中いっぱいに銜えこんで思い切り吸い上げると、彼が呻いた。僅かに遅れて、咥内に精が放たれる。人間のものよりも味も臭いも濃い精液を嚥下していると突然肩を掴まれて、強制的に体を離された。
 小首を傾げたフェレシュテフが見上げると、とろんとした目をしたチャンドラが荒い息を吐きながら手を伸ばし、彼女の頬に触れてきた。

「……美味くねえだろ、そんなもん。吐き出せよ……」
「……お嫌でしたか?」

 口を使って相手を喜ばせる時は、咥内に放たれたものを飲み込むのが当たり前だった。そうすると征服感が満たされるのか、相手はとても喜んだものだ。またしても余計なことをしてしまったかと落ち込みそうになると、チャンドラが苦笑を浮かべた。

「嫌というか、その……フェレシュテフの方が上手で余裕があるのが、何だか悔しい。俺の方が年上だっていうのに、全然余裕がないしな。……フェレシュテフにされるのが嫌だっていう訳じゃねえよ」

 艶やかな唇についている精液を指で拭いとってやると、彼は彼女の頬や首、肩などをそっと撫でてきた。堪らなくなったフェレシュテフは彼の胸に飛び込んで、頬を胸板に擦りつける。その姿は主人にじゃれつく犬や猫のようだ。

「もっと、触れて。力が強くても、爪が刺さっても痛くても、良いの。貴方に触れられると心地良くて、ふわふわして、どうしようもなくなっちゃう……」

 甘ったるい猫撫で声で、フェレシュテフは懇願する。チャンドラが彼女の体を支えながら横たえると、フェレシュテフは彼の太い首にかじりついて、より一層体を密着させてきた。大きな手で臀部や太腿を掴むように触れると、鋭い爪が出てきて、彼女の柔肌をほんの少し傷つける。微かな痛み伴うものの、大切に扱われているのだと伝わってくるので、フェレシュテフは嬉しくなる。チャンドラを大切に思っているのだと伝えたくて、フェレシュテフも彼の逞しい体に触れる。

「フェレシュテフ……上、向け……」

 指示に従い顔を上げると、より一層仰け反るように言われる。無防備に晒されている彼女の喉にチャンドラが喰らいついたので、フェレシュテフは驚いて身を強張らせてしまった。肌を食い破るかと思われた牙だったが、甘噛みをしているのだと直ぐに分かり、ほっとする。

(息の根を止められるかと思ったけれど、違っていて良かった。ふふっ、じゃれつかれているみたい……)

 いとおしさが込み上げてきたフェレシュテフは、喉に喰らいついているチャンドラの耳や首の後ろを撫でる。柔らかめの体毛と、猫っ毛に近い髪の毛の感触を堪能しているとチャンドラが徐に顔を上げた。何やら拗ねた表情で、フェレシュテフをじっと見つめてくる。

「こら、何してる」
「以前に猫の亜人(チョルデーヴァ)ライオンの亜人(ナラシンハ)の娼婦に聞いたんです。猫に似た亜人は、耳や首の後ろを撫でられるのが好きだと……。気持ち良くなかったですか?」
「きもちいい、けど。あー……、フェレシュテフ、俺の鼻を噛め」

 真意が分からないものの、フェレシュテフはチャンドラの指示に素直に従って、すうっと通ったチャンドラの鼻梁に遠慮がちに噛みつく。思い切り噛みついては痛い思いをさせてしまうと彼女は思ったようだが、思い切りやってしまったとしても頑丈が取り得の虎の亜人(ドゥン)であるチャンドラには何ともない。精々、痒いと感じるくらいだろうか。
 これで良かったのかと不安に思いながらチャンドラの様子を窺うと、彼は嬉しそうに口元を綻ばせていた。その表情が可愛らしく見えて、フェレシュテフの胸がとくんと高鳴る。

「鼻は、気持ち良いところなのですか?」
「ん……まあ、その……」

 照れ臭そうに目を逸らしながら、チャンドラは鼻を噛む行為と、喉を甘噛みする行為の意味を説明する。
 それらは虎の亜人(ドゥン)の間での通じるもので、番の喉を甘噛みする行為には”あなたを食べてしまいたいほど愛しています”という意味があり、それをされた番はお返しに相手の鼻を甘噛みするのだという。その行為には”美味しく食べてね、私の可愛いあなた”という意味がある。

「一生やることはねえだろうと思ってたんだけどよ……フェレシュテフにしたくなったし、して貰いたくなった」
「……っ、有難う、御座います……っ」

 感謝の気持ちを篭めて、チャンドラの唇を奪う。吐息までも貪ろうとしているフェレシュテフの肌にチャンドラが手を滑らせる。その手が蜜を零す秘所に辿り着いて、周囲を撫でてくる。蜜を絡ませた指を一本だけ泉に進入させると、フェレシュテフの体が大きく跳ねた。チャンドラは慌てて指を引き抜き、彼女の頬を宥めるように撫でた。

「悪い、痛かったか?爪立てねえように気をつけたんだが……」
「ちがうの、いたくない。きもちよくて、びっくり、して……。もっと、して。もっと、もっとふれて……」
「ん……」
「はぁ……っ」

 先程よりも多く蜜で濡らしてから指を彼女の中に埋める。熱い吐息を漏らして震えるフェレフテフの表情がとても艶かしくて、チャンドラは妙に興奮してくる。中に埋める指の数を増やして欲しい、この部分を擦って欲しい、などとお願いをされたチャンドラはそれに従う。ある一点を掠めた時、フェレシュテフが大きく体を揺らし、彼女が零す蜜の量もどっと増えた。
 何事が起きているのだと焦るチャンドラに、息も絶え絶えなフェレシュテフが言葉をかける。

「ここ、こすられるの、すきです。おぼえて、くださると、うれしい、です……」
「っ、こっち、は?」
「そこ、も、すきっ、です……ひぁあっ」

 親指の腹で慎重に花芯に触れるとフェレシュテフは甲高い嬌声を上げ、チャンドラの指を強く締め上げた。上気した顔で、潤んだ目でフェレシュテフに見つめられているチャンドラは堪らなくなる。早くこの中に自分の楔を埋めてみたいと、本能が囁きかけてくる。

「フェレシュテフ、入れたい……」

 我慢が利かなくなるのは思いの外早かった。本音が口を突いて出てしまったチャンドラは焦るが、フェレシュテフは微笑み、チャンドラの腕の中から抜け出すと、四つん這いになって尻を高く突き出す姿勢をとった。亜人の男性は、この体勢で交わるのが一番好きなのだと、亜人の娼婦から聞いていたのだ。

「わたしのなか、はいってきて……?」

 絶え間なく蜜を零す秘所の花弁を指で広げて、フェレシュテフはチャンドラを誘惑する。その色香にあっけなく惑わされたチャンドラは、痛いほどに張り詰めた自分の欲望を其処に擦りつけた。きっと彼女が今までに相手をしてきたどの男性よりも下手なのだろうと卑下しながら、一気に彼女の中に入っていく。フェレシュテフを気遣う余裕がないチャンドラは、自分のことで手一杯だ。

「――っ、あっ……っ」

 体験したことのない質量のものが勢いよく入り込んできた衝撃で、フェレシュテフの息が詰まる。秘所が限界まで広げられて悲鳴を上げているのを感じるが、それでもフェレシュテフは拒絶の言葉を出そうとはしないで、圧迫感をぐっと堪えた。――不器用で優しいこの人を困らせたくないと。
 フェレシュテフは深く息を吸って、吐いて、強張る体を和らげようとする。

(やばい、きもちいい……)

 根元までは入らなかったが、それでも征服感と満足感が湧き出してきて、チャンドラの僅かな理性を蝕もうとしてくる。フェレシュテフの秘所の締めつけに意識を持っていかれそうになるのを堪えていると、彼女がか細い声で呟いた。

「チャンドラさん、うごいて?んっ、わたしで、きもちよくなって……?」
「辛くないか……?」
「へーき、だから、うごいて?きもちよくなってほしいの……」
「……俺、下手だぞ」
「そんなこと、かんけーない。わたし、いま、あなたとひとつになれて、しあわせで、むねがいっぱいなの」

 下手だろうが何だろうが、相手がチャンドラだということだけで、フェレシュテフは兎に角幸せでどうしようもなかった。

(……かわいい。かわいい、俺の、フェレシュテフ……)

 玉のような汗を浮かべている細い腰を捕まえて、彼女に覆い被さったチャンドラは腰を動かし始める。

(フェレシュテフが気持ち良いって言っていたところは、何処だ?此処だったか……?)

 指で触れて確かめたところを探るように腰を動かすと、フェレシュテフの中の締めつけが強くなった箇所を見つけた。そこを重点的に擦ってやろうと思ったのだが、彼女に与えられる快感に負けて、チャンドラは精を吐き出した。体をぶるりと震わせて、最後の一滴まで残さずにフェレシュテフの中に収めようとする。
 力の無くなった陽物をずるりと引き抜くと、フェレシュテフはうつ伏せに倒れこみ、妖艶に体をくねらせる。彼女の秘所は広がったままで、チャンドラが吐き出した精液がこぽこぽと溢れ出てきた。顔を赤くして、荒い息を吐いて、快感に震えているフェレシュテフを眺めているだけで興奮してきたチャンドラは、もう一度陽物を勃起させてしまう。

「……また、おっきくなってる」
「……悪い」
「うれしい。また、はいってきて。もっと、わたしのこと、ほしがって」
「~~~~~~っ、挑発するな、この莫迦っ。いや、悪い、今の、なしで……」

 ああ、また落ち込ませてしまうと心配したチャンドラだが、意外なことにフェレシュテフは微笑んでいた。

「はぁ、わたしのなか、チャンドラさんで、いっぱぁい……」

 蕩けそうな表情をして下腹部を撫でているフェレシュテフの姿が扇情的で、チャンドラは劣情が更に燃え上がるのを感じとる。

(……虎の亜人(ドゥン)の女よりも質が悪いかもしれねえ。何でこいつ、こんなにも色気がだだ漏れに……っ。あーあ、搾り取られて死にそうだ……)

 庇護欲を駆り立ててくるフェレシュテフは、色欲を刺激するのも上手なのだと判明して、チャンドラは溜め息を吐いた。彼はもう、完全にフェレシュテフに参っているようだ。

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